日本全国津々浦々にあるバーを訪れ、マスターや常連とのトークと通して感じたことを、ことばと写真に。
#君と僕とのBARではないか
金沢 – 倫敦屋酒場
by Mina Daimon / Leica
マスターの指先で果肉を飛び出してからハイボールに着水するまでの旅について、
あっちでレモンが語っています。
はじめてこの世の空気に触れる一瞬の永遠、
それはどこからか流れてくるかすかな柑橘の香りのように切なく胸を打つ話。
こっちでは樽の中のウイスキーがどんな夢を見るかの談義が続きます。
その夢には淡く色がついており、けれど薄ぼんやりと暗い博物館のような記憶。
それって夢の中みたいだね。だって夢だもの。
セロリがクスリと笑い、タンブラーが一回転。
ねえ、今の見た?そんなわけないでしょ。
しかし酒場ではすべてがありえるし、夜はあなたが知っているよりももっとずっと深いのです。